春、夏、秋、冬……ノースウエストの四季に応じた健康法を
マクロビオティックの観点でつづる歳時記 文/森保夫
第2回 春の“気”を取り込もう
一物全体 = マクロビオティック
体(健)と心(康)の調和を、食事・呼吸・運動(噛むことも含む)で整えると、人は皆元気を取り戻し、生き方、仕事、家庭、社会全体が自然に見えてきます。マクロビオティックは古代陰陽のものの見方を応用した、現代にも通じる実用的な生活法です。その応用が、身土不二(1月号で紹介)と、旬の食材を一物全体まるごと食べること。例えばダイコンだと皮を剥かずに葉の部分も、ゴボウなら皮ごとアクを抜かずに調理します。だしは入れず、油、みそ、しょう油の量を最小限にして調理すれば、栄養満点でバランスも取れます(アトピー皮膚炎などにも効果的)。
冬の“静”から春の“動”へ。
草木も芽吹き始め、大地の表面が息づいてきました。でもノースウエストの春は、日本に比べると立春を過ぎてもかなり寒く、日中と夜の気温差も激しいです。筋肉の痛みや、体の冷え、生理による不調、アレルギー症状などもこの季節特有で、それらはすべて冬の間のアンバランスな食事やストレスなどが原因です。ジョギング、散歩、自転車、ヨガ、太極拳など、体を動かして深呼吸し、春の“気”を大いに取り込みましょう。 春は、胆のうと肝臓の養生が必要。主なツボ療法としては、「三陰交」(足の内側のくるぶしから親指を除く4本の指を当ててすぐ上にあるすねの骨の縁のツボ)、「丘墟」(足の第4指から外くるぶしに向かって上がった所のくぼみ)に、お灸、指圧、ショウガ湯の湿布(1月号で紹介)を施し、ひざから下を温めましょう。お風呂に入って「曲泉」(ひざ関節の内側のくぼみの中でひざを曲げてできる横ジワの先端)を指圧するのも効果的です。
旬のものを基本に従って調理
ノースウエストは、日本に比べて土地自体が冷えています。それでも地産の根菜類はたくさん収穫されるので、それらの食材(海産物も含む)をみそ汁にたっぷり入れて体を温めることが大切です。春とはいえ夜はまだ冷え込むので、体を冷やすビールや熱帯から来る果物、砂糖、アイスクリームなどは、寒い夜は控えたほうが良いでしょう。
5、6月に入ると、サーモンを始めとした魚介類が出回ります。大量に常食しないことが大切ですが、ほかの温帯、亜熱帯の地域のものよりは割合を多くしても良いでしょう。野菜やイチゴなどのベリー類を併用するとバランスが取れます。食事の50〜60%を玄米や雑穀類にすることがマクロビオティックの基本です。
簡単なことですが、毎日の天候と気温に気配りし、その日に合った食事を用意することが、家族の健康維持と予防の秘訣です。食材は必ずその土地でその季節にできるもの、できればオーガニックのものを使いましょう。スーパーなどでは店員さんに産地の確認を。備えあれば憂いなし。“身土不二”をお忘れなく。
春のお手当て
体
胆のうや肝臓に注意。「三陰交」「丘墟」「曲泉」などのツボを指圧すると効果的。体をよく動かして春の気を取り入れよう。
食事
野菜は、皮まで調理したほうが栄養もより取れる。ただしオーガニックのもののほうが安心。地場産だとなお良し
Mori Shiatsu Clinic TEL: 206-464-0782
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