ゆうマガ(以下Y):「マクロビオティック」のコンセプトを教えてください。
森先生(以下M):「Macrobiotic(マクロビオティック)」は、ギリシャ語が語源で「自由に思い切り生きるための生活法」を意味します。日本人の桜沢如一(さくらざわゆきかず)が世界に広めました。
マクロビオティックの食にまつわるコンセプトは、「身土不二」と「一物全体」の2つ。前者は「身体と土地、環境はひとつ」、つまり、住んでいる土地で採れた素材を食べるようにすること。後者は「生命あるものをまるごといただく」で、例えば米なら精米前の玄米、野菜なら皮を向いたりせず、まるごと食すことです。基本は自然の素材が持つ陰と陽を調和させる「穀物菜食」で、これをよく噛んで食べるようにします。
Y:素材が持つ陰と陽とは?
M:マクロビオティックでは、穀類、野菜、果物、魚介類などの自然素材を陰・中庸・陽の軸に当てはめています。食品の性質については、下図を参考にしてください。また、中庸は陰陽の中間で、適度にバランスが取れたもの。玄米や根菜類がこれに当たります。
陰陽は調理法や味にも当てはまり、例えば電子レンジでの調理は陰、揚げるのは陽、辛い物は陰、苦い物は陽などとされます。ただし、陰陽は固定的なものではありません。
ユージーンにあるホリスティック・ヒーリングでは、オレゴン州はもちろん、他州&海外からのマクロビオティックに関する相談を受けている。また、7日間体調改善ヒーリング・コースやワークショップも開催中だ。
■Holistic Healing(深田由香)
TEL:541-342-3994
ウェブサイト:
www.ecofamily.info
Y:陰陽を覚えるのは難しそうです。また、アメリカでは日本と同じ食生活を維持することが大変なことも。アメリカで健康的な食生活をするためのアドバイスをお願いします。
M:陰陽はあくまでも道具。人それぞれの体質やこれまでの食生活で、各人に適切な食事法も異なります。まずは腹八分目を心掛け、素材の陰陽にかかわらず、最低30〜50回を心掛けてよく噛むように。偏った食生活などの極端を減らし、バランスの取れた状態「中庸」を目指しましょう。防腐剤、化学合成添加物、甘味料を避けるだけでも、中庸に近づけますよ。
人間は「食物のお化け」。そして「食なきところに生命はなし」。食は心と体の健康に大きな影響を与えるのです。