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回答者 指圧師 森保夫先生
1978年にシアトルで森指圧クリニックを開業。1983年にワシントン州ボード・オブ・マッサージ、ワシントン州保健省認定AMTA(American Massage Therapist Association)のメンバーとなる。大学やマッサージ・スクールなどで指圧講師としても活躍する。
Mori Shiatsu Clinic
TEL:206-464-0782 ウェブサイト:www.shiatsuyasuomori.com

Q

初心者でも簡単にできる、
指圧のコツを教えてください。

A人間には誰にでも、科学では説明できない不思議な力があります。古代の先人の知恵を基に生まれた指圧は、人間が持つ本来の力、自然治癒力を高め、心身の状態を正常に戻す手技療法です。今回は、初心者でも子供でもできる指圧のやり方を紹介しましょう。

まず、触り方から。目をつぶり、腹の中心から深呼吸して、身体をリラックスさせます。気持ちを手足に集中させると、温かくなってきます(時々ピリピリと反応する時もあります)。それから両手を、指圧したい部分に、肌から紙1枚浮かす感覚でそっと置きます。息を吐きながら少しずつ両手をずらしていくと、場所によってザラザラしていたり、冷たかったり、火照っていたり、湿気があったり、痛みがあったりと、ほかのところと違う感触のところがあります。それがツボだと思えば良いでしょう。ツボとは、内臓の状態が身体の表面に現れるところなのです。

家族やパートナーに行う時は自分の呼吸が、相手の呼吸より長くなるようにしてください。静かに息を吐きながら、手を相手の肌にぴったり合わせて、赤ん坊を扱うように、ゆっくりと体の中心に向かって垂直に軽く優しく圧(押)していきます。そうすると、指圧している人も受けている人も気持ち良くなり、軽い痛みや病状、心の悩みもスーッと消える時があります。「心身一如」と言うように、体の痛みも心の痛みも同じことなのです。この時、手指や手首にあまり力を入れないこと。体の全体、腕と腰を使って、ゆっくりと圧すのがコツです。こういう風にやると、初心者でもプロ並みの効果があります。

初心者はツボなるものを見つけると、まるで鬼の首を取ったかのように、グイグイ力任せに圧す傾向があります。一時的には気持ちが良いですが、後で硬くなって痛みが倍増する時があります。気を付けましょう。子供みたいに無心になり、母親が赤ん坊を抱くように、思うに任せてあまり考え過ぎないようにする心構えが基本です。

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